MSは今週,ソフトの信頼性を宣伝するキャンペーンを開始していた,ということで笑うに笑えない事態となっている。が,問題はソフトの出来とかそういう問題ではなく,会社が持っているネットワークに対する素地だ。
自社ウェブサイトが相次ぐ障害に見舞われたマイクロソフト社は27日,問題はすべて解決したという見方を明らかにした。23日にマイクロソフト社の運営するサイトは,同社技術者の設定ミスが原因でアクセス不能に陥った。さらにその後,外部からのサービス拒否(DDos)攻撃が仕掛けられ,再びアクセスできなくなっていた。
まさにMSにとっては,暗黒の1週間となった今週。そもそもはMSの技術者ではなく技術家さん(technicianという表現,マイクロソフト社のプレスリリース)が行ったDNSの設定ミスで,DNSの設定は一度出てしまうと最悪数日は尾を引くのでMSにとっては致命的だった。さらに,ならなんでマイクロソフト・コムだけぢゃなく,他のサイトもダメになってんだ? となって,結局MSでは,マイクロソフト・コムもホットメール・コムもMSNコムもMSNBCコムもウィンドウズ・アップデート・コムもウィンドウズメディア・コムもエンカルタ・コムもエクスぺディア・コムもスレート・コムもカーポイント・コムも(ゼェゼェ),すべて物理的に1カ所のサーバーで管理している(正確な表現ではないが)ということが露呈。ならその個々のサイトへと枝分かれさせている分岐点のルーターに障害を起こせば全部にアクセスできなくなる,ということでそのルーターに攻撃が加えられた,という流れ。
そのお粗末さは至る所で云われているので,繰り返しても仕方ないが,そも,MSの単純なネットワーク構造が最大のミスだ。ネットワーク全体が分散し,幾多の経路を持ち,情報の共有化がなされていることが最大の強みであるのに,MSのサイトはそれをひとつとして取り入れていなかった。そして,実行していなかった。単純且つ基礎的な土台を持たない,その視野の狭さと見識のなさは限りなく怪しい。素地を持たず,美味しいところだけ掠め取ろうとしている,という会社の資質がわかってしまう,と,そういう事件なのでした。
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